罰則等の基礎知識

飲酒運転の脳・体への影響

  1. 動体視力が落ち、視野が狭くなります。そのため信号の変化や路上の人、車の動きの見極めが遅れます。

  2. アルコール検知器の利用と活用に係る普及および啓発。

  3. 抑制が取れ理性が失われているため、運転に必要な判断力が低下しています。スピードを出していても気づかなかったり、乱暴なハンドルさばきをしてしまいます。

  4. 集中力が鈍っているため、とっさの状況の変化に対応できなくなります。

  5. 運動をつかさどる神経が麻痺しているため、ハンドル操作やブレーキ動作が遅れがちになります。

  6. アルコール検知器の利用と活用に係る普及および啓発。

  7. 体の平衡感覚が乱れ、直進運転できず、蛇行運転をしたりします。 このため、信号無視、カーブを曲がり切れない、横断中の人の見落とし、ハンドル操作の誤り、ガードレールや電柱への衝突などをして、悲惨な事故を招いてしまいます。

飲酒運転と交通事故

飲酒運転は法律(道路交通法)で禁止されているにもかかわらず、後を絶ちません。

法改正による厳罰化や社会的機運の高まりによって減少傾向ではありますが、
令和4年における飲酒運転を原因とする事故件数は2,167件、うち死亡事故は120件に上っています(警察庁HPより)。

酔いの状態と運転事故発生の可能性

ほろ酔い期(血中アルコール濃度0.05%以上)で運転事故の可能性は2倍になります。

たとえば、アルコール1単位(ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合、焼酎なら0.6号)で事故の可能性は倍増しているのです。
だから飲酒運転は法律で禁じられているのです。

違反行為の点数・処分内容等

飲酒運転取締基準

酒酔い運転
まっすぐ歩けないなど、酔った状態で運転すること。
酒気帯び運転
酒に酔った状態でなくても、一定基準以上のアルコールを体内に保存して運転する事。

違反行為の点数・処分内容等

2009年6月の法改正で飲酒運転に関する違反行為の点数・処分内容等が大幅に引き上げられました。

酒酔い運転

点数 35点
処分内容 免許取消
欠格・停止期間 3年

酒気帯び運転 0.25mg/L以上※

点数 35点
処分内容 免許取消
欠格・停止期間 2年

※呼気1リットル当たりのアルコール量

酒気帯び運転0.15mg以上0.25mg未満※

点数 13点
処分内容 免許停止
欠格・停止期間 90日

※呼気1リットル当たりのアルコール量

点数 処分内容 欠格・停止期間
酒酔い運転 35点 免許取消 3年
酒気帯び運転 (呼気1リットル当たりのアルコール量) 0.25mg以上 25点 免許取消 2年
(呼気1リットル当たりのアルコール量) 0.15mg以上0.25未満 13点 免許停止 90日

※この処分は一例であり、過去の交通事故や交通違反の前歴等により異なります。「欠格・停止期間」は前歴なしの場合。

※参考資料:社団法人アルコール健康医学協会

白ナンバー事業者向けの飲酒運転関連の法令について

安全運転管理者の選任について

自動車の使用者は、内閣府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、年齢、自動車の運転の管理の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、安全運転管理者を選任しなければならない。
※道路交通法【第七四条の三(一)】より抜粋

安全運転管理者の選任を必要とする自動車の台数

自動車の使用の本拠ごとに乗車定員が十一人以上の自動車にあっては一台、その他の自動車にあっては五台とする。
※道路交通法施行規則【第九条の八(一)】より抜粋

安全運転管理者の業務(アルコールチェック関連)

①運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、②酒気帯びの有無について、③当該運転者の状態を目視等で確認するほか、④アルコール検知器を用いて確認を行うこと。
※道路交通法施行規則【第九条の十(六)】より抜粋

  1. 運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者

    ・・・運転前と運転後

  2. 酒気帯びの有無

    ・・・③及び④の方法で確認

  3. 当該運転者の状態を目視等で確認

    ・・・運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声緒の調子などを確認

  4. アルコール検知器を用いて確認

    ・・・アルコール検知器の数値を基に酒気帯びの有無を確認

  5. アルコール検知器や飲酒の専門知識を用いた道路交通安全の促進および普及。

    前号の規定による⑤確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。
    ※道路交通法施行規則【第九条の十(七)】より抜粋

  6. 確認の内容を記録

    ・・・下記の記録項目を記録

  7. その記録を1年間保存

    ・・・上述の記録内容を記録方法問わず1年間保存する

  8. アルコール検知器を常時有効に保持

    ・・・正常に動作し、故障がない状態で保持しておく

1.確認者名 ・・・アルコールチェックの確認を行った人の氏名
2.運転者名 ・・・運転を行う人の氏名
3.運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等

・・・車両のナンバー
4.確認の日時 ・・・確認を行った日時
5.確認の方法 ・・・アルコールチェックの確認方法
ア アルコール検知器の使用の有無
・・・アルコール検知器を使用したかどうか
イ 対面でない場合は具体的方法
・・・対面、電話、テレビ電話、その他など
6.酒気帯びの有無 ・・・確認の結果、酒気を帯びているかどうか
7.指示事項 ・・・運行にあたり、注意事項など指示した内容
8.その他必要な事項 ・・・その他安全運転を行うにあたり必要な事項があれば

安全運転管理者の資格要件

安全運転管理者 副安全運転管理者
年齢 20歳以上
(ただし、副安全運転管理者を選任する場合は、30歳以上)
20歳以上
運転管理の実務経験
(いずれかの一つに該当していること)
・自動車の運転の管理に関し、2年以上の実務経験を有する者
・上記の者と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者
・自動車の運転の経験期間が3年以上の者
・自動車の運転の管理に関し、1年以上の実務経験を有する者
失格要件 ・公安委員会の命令により安全運転管理者等を解任され、解任の日から2年を経過していない者
・下記の違反行為等をした日から2年を経過していない者
①ひき逃げ
②無免許運転、酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転無免許運転にかかわった車両の提供、無免許運転の車両への同乗
③酒酔い・酒気帯び運転にかかわった車両の提供、酒類の提供
④酒酔い・酒気帯び運転の車両への同乗
⑤自動車使用制限命令違反
⑥妨害運転(著しく交通の危険、交通の危険のおそれ)

※道路交通法施行規則【第九条の九】より抜粋