アルコール豆知識

飲酒運転の脳・体への影響

血液に入ったアルコールは循環されて脳に到達します。
すると、アルコールが脳の神経細胞に作用して麻痺させ、その結果として酔った状態になります。

飲んだお酒は体の中でどうなるか

  1. 口から入ったアルコールは胃から約20%、小腸から約80%が吸収されます。そして、血液に入り、全身に行きわたります。

  2. 体内に入ったアルコールの大部分が肝臓で代謝されます。肝臓ではアルコールはアセトアルデヒドを経てアセテート(酢酸)に分解されます。

  3. アセテート(酢酸)は血液によって全身をめぐり、筋肉や脂肪組織などで水と二酸化炭素に分解されて体外に排出されます。

  4. 摂取されたアルコールの2~10%が、そのままのかたちで呼気、汗、尿として排泄されます。

覚えておきたいお酒の1単位

アルコール摂取量の基準とされるお酒の1単位とは、純アルコールに換算して20gです。

この1単位を各種アルコール飲料に換算すると、ビールは中びん1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、ウイスキーはダブル1杯(60ml)、焼酎0.6合(110ml)が目安となります。

ビール 日本酒 焼酎 ウイスキー ワイン 缶チューハイ
ビール 日本酒 焼酎 ウイスキー ワイン 缶チューハイ
アルコール度数 5% 15% 25% 43% 14% 5%
容量 500mL 180mL 110mL 60mL 180mL 500mL

アルコール量の計算式

内容量(mL)
×
(アルコール度数(%)÷100)
×
0.8

ex:アルコール度数5%のビールを500mLに含まれているアルコール量
500×(5÷100)×0.8=20(g) 

酔いがさめるまでの時間

体内でのアルコールは体重1gにつき、1時間に約0.1g処理されます。体重60kgの人が1単位のお酒を飲んだ場合、アルコールは約3~4時間体内にとどまります。

2単位の場合ではアルコールが体内から消失するまで約6~7時間かかります。これには個人差があるため、体質的にお酒に弱い人や女性はもっと長い時間が掛かります。多量の飲酒では深夜までの飲酒は、翌朝起床後も体内にアルコールが残ってしまいます。 

アルコール血中濃度と酔いの状態

爽快期 ほろよい期 酩酊初期 酩酊期 泥酔期 昏睡期
血中濃度:0.02%~0.04% 血中濃度:0.05%~0.10% 血中濃度:0.11%~0.15% 血中濃度:0.16%~0.30% 血中濃度:0.31%~0.40% 血中濃度:0.41%
酒量:日本酒(~1合)
ビール中瓶(~1本)
ウイスキー(シングル2杯)
酒量:日本酒(1~2合)
ビール中瓶(1~2本)
ウイスキー(シングル3杯)
酒量:日本酒(3合)
ビール中瓶(3本)
ウイスキー(ダブル3杯)
酒量:日本酒(4合~6合)
ビール中瓶(4~6本)
ウイスキー(ダブル5杯)
酒量:日本酒(7合~1升)
ビール中瓶(7~10本)
ウイスキー(ボトル1本)
酒量:日本酒(1升以上)
ビール中瓶(10本以上)
ウイスキー(ボトル1本以上)
酔いの状態:さわやか、皮膚が赤くなる。
陽気になる、判断力が少しにぶる
酔いの状態:手の動きが活発になる。
抑制がなくなる、体温が上がる、脈が速くなる
酔いの状態:気が大きくなる、大声でがなりたてる。
怒りっぽくなる、立てばふらつく
酔いの状態:千鳥足になる、何度も同じことをしゃべる。
呼吸が早くなる、吐き気、嘔吐
酔いの状態:まともに立てない、意識がはっきりしない。
言語がめちゃめちゃになる
酔いの状態:揺り動かしても起きない、大声で呼びかけても起きない。
小便は垂れ流しになる、呼吸はゆっくりと深い、死亡

肝臓でのアルコール処理のプロセスについて

  1. アルコールADH酵素が分解
  2. アセトアルデヒドALDH2酵素が分解
  3. 酢酸熱エネルギーに分解
  4. 水+CO2

寝酒の落とし穴

  • アルコールによる眠りはレム睡眠を加速させる
  • 深い眠り(ノンレム睡眠)が減り、浅い眠りが増える
  • 眠りが中断されて、中途覚醒も
  • 睡眠中も肝臓がアルコールを分解し続け、大きな負担がかかる
  • 3単位以上飲む人は睡眠時無呼吸のリスクが3倍に
  • 日中の居眠り運転の原因に
  • 寝酒を続けると脳がアルコールに慣れ、飲酒量の増加に
  • 飲酒量の増加が続くと、アルコール依存症に(飲まないと眠れなくなる等)

寝酒をすると、本来の眠りのパターンを壊し体への負担が増加、
最終的にはアルコール依存症になることも

飲酒の運転への影響

  • 動体視力の低下 視野が狭くなる➾遠近感が分からず車間が詰まる
  • 注意力・集中力・判断力・予測力の低下➾わき見運転・一時停止無視・信号無視
  • 理性・自制心の低下➾スピード超過・乱暴運転
  • 反応・運動など操作機能の低下➾追突事故の危険性が高まる

「認知・判断・操作」すべての運転機能の低下